カツオが鰹節になるまで

福島県出身の田舎者が東京の大学に通う話です。

Documentary of 欅坂46 僕たちの嘘と真実 の前夜祭の感想。

以下の文章はネタバレを含みます。ご注意ください。

 

『Documentary of 欅坂46 僕たちの嘘と真実』

              の前夜祭に参加した感想。

 

以下、予告です。


新公開日9/4(金)決定!『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』新予告編/公式

 

つい先ほど見終えたばかりで、興奮が冷めない中での感想になるのですが、

一言で感想を表すなら、

 

アイドルとしての『欅坂46』ではなく、表現者としての『欅坂46』の物語です。

 

つまり、なんだかんだ言っても、欅坂はアイドルだし、それ以上のものを彼女たちに望まない。という人にはおすすめできません。

なぜなら、欅坂のメンバーが表現者として葛藤し、自分の未熟さに絶望し、迷い、苦しむ様子をカメラが鮮明に捉えているからです。

それは時として、絶対的なセンターである平手友梨奈さんに対して、自分自身が抱いているアイドル像に対して、自分の実力、才能に対して、多くものが苦しみの対象となっています。

 

加えて、個人的に衝撃的だったのは、センターの平手友梨奈さんの劇中(特に2018以降)の状態でした。

自分の想像では、欅坂の世界観にのめり込んでいても、一時的に体調を壊したり、精神を病むことはあっても、それは一過性のものにすぎないと思っていました。

しかし、今回の劇中の後半では、ほとんど自分で歩くことができず、精神的にも限界の平手さんが映し出されていました。メンバーの証言でも明らかになりますが、平手さんは自身の感情やメンバーとのコミュニケーションを犠牲にして、欅坂の楽曲に登場する『僕』に出会っていたのです。

 

ご存知のかたも多いと思いますが、欅坂の活動において平手さんの存在はとても大きいものです。その平手さんが表に立てないことで、グループの活動が思うようにできない場面がありました。

劇中では、平手さんにもっとしっかりしてくれと思わないのか。という踏み込んだインタビューの質問があります。

しかし、その質問をされたキャプテンの菅井さんは、全く平手さんを責める様子はありません。それは他のメンバーも同様で、平手さんのライブの欠場を振り返るインタビューにおいても、全く平手さんを責めることはありません。

正直、素人からすると結構踏み込んだこと聞くなぁ。というインタビューシーンが多々あるのですが、メンバー(特に1期生)は自分を責めることはあっても、他のメンバーに対してはほとんど感謝や尊敬といったコメントが目立ちました。

 

特に、メンバーの仲間意識やお互いの尊敬(卒業生も含めて)、感謝といった関係性が強く浮き彫りになったシーンがあります。それは、幻となった欅坂初の2期生を迎えたシングル選抜制導入を宣告されたことを振り返る石森虹花さんのコメントです。

自分の選抜どうこうではなく、こんなに素敵な欅坂のメンバーで選ばれない人がいるということがおかしい。といった趣旨の発言でした。

 

今回の作品は、いきなりサイレントマジョリティーで大ブレイクを果たした21人が、もがき苦しみながら進んできた記録であると思います。(2期生にもインタビューはされますが、主題は平手友梨奈さんとその才能を支えた1期生だと思いました。)

これは、普通のアイドルの下積みからブレイクまでのドキュメンタリーというものではなく、圧倒的な才能を持つ平手友梨奈さん、グループの独特な世界観、が作り出した功績の側面を写しとった唯一無二の作品に仕上がっていると思います。

 

また、私が劇中で一番心に残ったセリフ(正確ではないかもしれません)があります。

 

「欅坂って、みんなで手を繋いでるんですよ。崖の一歩手前で。誰かが落ちたらみんな落ちる。」

 

このセリフが、メンバー以外には誰にも理解されない、苦悩を物語っていたと思います。

 

最後になりますが、

私個人の感想としては、ありがとう。です。

この映画を見て、

平手友梨奈さんをはじめとした欅坂46のメンバ-、運営してくれたスタッフさん、その他多くの活動、企画に携わってくれた多くの方々、あらゆる一瞬の偶然が重なって、ただ、巡り会った瞬間の出来事が欅坂46

だと感じました。

儚さが美しさをもたらしているグループであると、

本当に、見終わった瞬間に『二人セゾン』はこの未来、この映画を予見していたのではないか。と疑いたくなりました(笑)

 

二人セゾン

二人セゾン

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ここまで、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。

ROCKIN'ON JAPANで平手さんがおっしゃっていましたが、今回の作品が欅坂の5年間の全てではありません。映像の一部を切り取ったもので、ある意味、『欅坂46』に対する一つの解釈に過ぎないと思います。ですので、ぜひご覧になる際は、劇中の発言を全て直接言葉通りに受け取るのではなく、フィクションのドキュメンタリーであるということを忘れないで、メンバーと制作スタッフさんに最大の敬意を払って見てみてください。

私も最大限の敬意とコロナ対策をして、明日また2回目を見に行こうと思います(笑)

 

ありがとうございました。